世の中には、ほんとうに様々な絨毯があるわけですが、
現代の日本という国で伝え継承していくものとして、
GOSHIMA絨毯は「厚み」にこだわりました。
「厚い」絨毯にこだわったのではなく、
「厚み」についてこだわったのです。
一番初めにできたロイヤルコレクションでは、約25mmの厚み。
2番目にできたトラディショナルコレクションでは約20mm。
そして、3番目にできた百花万華は約15mm。
シリーズを作るたびに、それぞれのデザインと合わせ、「厚み」というものにこだわってきました。
GOSHIMA絨毯は、パッと見るだけだとデザイン性の方へ印象が置かれがちですが、一番のこだわりは、品質=スペックの部分です。
どんなにデザインが良くても、品質が伴わなくてはいけない。
長く、愛着を持って使っていただくには、まず何よりも品質が高くないといけない。日本人が日本の生活の中で使い込んでいくときに、品質の中でも一番重視したのは「厚み」です。もちろん、自然の素材を基本としたなかでのことです。
GOSHIMA絨毯の「厚み」には、
人を幸せにする手ざわり。
長く座っていても疲れない弾力。
しっかりと暮らしに落ち着く重厚感。
底つき感を感じない品の良さ。
という利点が挙げられます。
最初にできたロイヤルコレクションでは、長く柔らかいモロッコの羊毛と、コシのあるニュージーランドの羊毛をオリジナルでブレンドして作っています。その糸で織った織りサンプルを何度も踏んで手ざわりを確かめて、「これだ!」という糸ができるまでにだいぶ時間がかかりました。
オリジナルの絨毯らしく、現地スタッフとの根気のいるプロジェクトの果てに今の品質ができています。
いくつものサンプルを作ってできたGOSHIMA絨毯の糸は、高い技術を持った織子さんの手によって、丈夫でしっかりとした絨毯に織り上げられていきます。
では、このこだわりの「厚み」は、使い手の暮らしに何をもたらすのでしょうか。
その答えを「心地よさ」と一言で言ってしまうのは、何だか簡単すぎて、単純すぎますが、やっぱりそれは「心地よさ」に尽きるのです。
そもそも、日本人の暮らしは床に近い。
ということから、座の暮らしをより豊かに、そして、古くから続く日本人の生活様式を再度見つめ直すこと、座ることで得られる安心感をより深く幸福に感じることができる体験と時間を、との思いを持って、GOSHIMA絨毯には「厚み」を持たせています。
毎日使うもの、毎日触れるものだからこそ、
絶対に「心地よさ」は大事なことなのです。
空間に一枚絨毯が敷かれることで、そこには場ができます。
場ができるとそこにみんなが集まってきます。
そして、その一枚の絨毯の上で時を共有していきます。
だから、いつの間にか、絨毯はインテリアや家具というカテゴリを超えて、家族のような存在になっていきます。
その一枚の絨毯を過ごした記憶にあるのは「心地よさ」であってほしい、
そしてその時間が幸せであってほしい。
それは、現代に誕生した新しいGOSHIMA絨毯に込められた願いです。
GOSHIMA絨毯の「厚み」には、「心地よさ」を感じてもらうために必要な毛足の長さと質感がしっかりと織り込まれています。
これは、触れてみないと、踏んでみないとわからないものです。
是非、3シリーズの踏みごこちの違いを確かめに、展示会会場へ足を運んでみてください。
そこで、自身の人生に何をもたらしてくれる絨毯なのか、じっくり考えて見るのも良いかもしれません。
シリーズ記事[GOSHIMA絨毯のこと]
–目次–
【1】絨毯と育む
【2】絨毯のデザイン
【3】こだわりの厚み
【4】価格の決め方
【5】オーダーメイドで絨毯を作るということについて