オーダーメイドで作る一枚 “GOSHIMA絨毯”

2年半ぶりに誕生したGOSHIMA絨毯新シリーズ「百花万華 -hyakkabanka-」のお披露目展示会が、本拠地・新潟にある三方舎書斎galleryにて始まりました。

上質のウールのフィールドの上で、シルクの小花柄がキラキラと輝いています。

来場された方々からは、
「わぁ〜!素敵〜!」
「今までにない絨毯ですね。」
「手織りの良さがよくわかります。」
「飽きがこないデザインですね。」
などなど、とてもご好評をいただいています。

「とっても素敵だからすぐに欲しい!」
そんな思いを抱いていただけるのはとても嬉しいことなのですが、
GOSHIMA絨毯はご注文をいただいてから織り始めます。
納期はおおよそ4ヶ月程度。

この「4ヶ月待つ」ということには大きな意味があります。

今回の展示会で何よりお伝えしたかったのが、「オーダーメイドで作る、ということを、GOSHIMA絨毯を作ってきた私たち三方舎がどう考えているのか」について。会場にもテキストを展示していますが、とても大事なことなので、ここにも記しておきたいと思います。

 


三方舎が考えるGOSHIMA絨毯のオーダーメイドについて

GOSHIMA絨毯はオーダーメイドの絨毯です。
お客様の「作る」という意思があってものづくりが始まります。

多くの人が想像する絨毯は、ペルシャなどで作られたたくさんの絨毯。それが日本へ輸入され、お店に所狭しと並べられている、その中から素敵だなぁと思うものを選んで購入する。絨毯を手に入れる方法はそれが普通です。もしくは、旅行へ行って現地で買ってきた、ということもあるかもしれません。絨毯は国や地域によって、実に様々な文様や色、織りの技術や毛質など、奥深い魅力的な素晴らしいものが数多くあるので、その多くの中から選ぶということも楽しみの一つであると思いますし、私たちも、自らの琴線に触れる様々な絨毯を買い付けてきては販売をしてきたこともありました。

しかし、三方舎がオリジナルのブランドとして立ち上げたGOSHIMA絨毯では、オーダーメイドという方法で絨毯を多くの人の元へ届けることを選びました。もちろん手織りの絨毯なので、オーダーが入ると仕事が来たと喜ぶ職人が多くいます。GOSHIMA絨毯を織る選ばれた職人として、良きものを作ろうという気概を持って、様々な技術を持った人間が一枚の絨毯に向かってその技術を生かしていきます。

今の日本では使い捨てのものがたくさん増えて、その中で絨毯も例外ではありません。安く買って、古びたら捨てて買い換えればいい。と思うことも少なくないと思います。そんなものばかりではつまらない。世界に、よき技術を持った人たちがいて、欲しいものを手で作ってくれる人がいる。人生で一度はそんなものを手にしてみてもいいのではないかな、と思うのです。

オーダーメイドで作ることができる絨毯は、日本国内では数少ない商品です。

オーダーメイドで作る絨毯の面白いところは、オーダーをした使い手とオーダーを受けた作り手の時間の共有から一枚の歴史が始まることです。制作期間は約4ヶ月。待つ人、作る人、それぞれの人生の中に、それぞれの4ヶ月が含まれていきます。

想像をしてみましょう。

GOSHIMA絨毯のオーダーを受けて作ってくれるのは、モロッコやネパールの人々です。モロッコでは9時間、ネパールでは3時間の時差があります。

私たちが「おはよう」と言って起きてくる時間に
モロッコの人たちは「今日も頑張ったわ」と1日の疲れを癒しています。
私たちが「お疲れ様」と言って帰宅する頃、
モロッコの人たちは「よし、今日も一日頑張るよ」と言って織り機の前に向かいます。

私たちが「お昼にしましょうか」と言っている頃、
ネパールの人たちは空の下で糸を染めたり洗った絨毯を乾かしたりしています。
私たちの国に陽が沈む頃、
ネパールの人々は、まだまだ織り機に向かって無心に織り続けています。

4ヶ月という月日は、ちょうど一つの季節が次の季節へ変わる頃。

秋の頃のオーダーは幾色にも染まる大地の景色の中で冬の終わりに完成し、
冬の頃のオーダーはたくましく寒さを越えて春の終わりに完成し、
春の頃のオーダーは生命力溢れる風に吹かれ夏の終わりに完成し、
夏の頃のオーダーは太陽の強い陽の力を含んで秋の終わりに完成します。
ともにそれぞれの国でそれぞれの季節を巡り、二つ先の季節に日本へ運ばれて来ます。

毎年変わらず咲く春の桜を見て思うことがあるように、オーダーをした季節、届いた日、作り手とともにあった4ヶ月は毎年何か大切なことを思い出すきっかけとなることでしょう。

GOSHIMA絨毯を通して、この長いようで短い、短いようで長い4ヶ月を、遠い国の作り手と共有していきます。

この4ヶ月の経験は、物に対する深い愛着へと繋がっていきます。
だれが作ったかわかるものは、そう簡単に捨てたりはしませんし、長年培われた手仕事の技術による丈夫な造りは、そう簡単に壊れたりしません。そして、手で作ったものは手で直せます。

三方舎は「作り手に光をあてる」という理念を大切にしています。
それは人間というものが大好きだからです。
モロッコやネパールにいる大好きな人たちとともに良き絨毯を作り、
愛すべき日本の人たちに喜んでもらいたい。

オーダーをいただき制作をしている4ヶ月間、日本で待っていてくれる方々へ、現地から工房の写真や情報などをお伝えするお便りをお送りしています。大好きな作り手と大切なお客様を縁で結び合せ、GOSHIMA絨毯が何ものにも代え難い一枚となるように繋いでいきます。

日本人のための、日本の暮らしや風土にあった、手織りのオーダーメイド絨毯。
GOSHIMA絨毯はモノの価値を超えて深い体験をお届けします。

 


 

会場では、ものづくりをどのように育んできているか、新シリーズ完成までのサンプルや動画・写真も展示しております。是非、ご覧ください。お待ちしております。

◆GOSHIMA絨毯新作「百花万華」 発表展◆
– 万華鏡にひらく百の花 –
◯日時  開催中〜10月21日(日)まで  11:00~20:00
◯会場  三方舎書斎galleryにて
新潟市秋葉区新津本町3-3-12
◯TEL  0250-25-3939
◯HP    http://www.sps-i.jp

百花万華について
https://goshima-carpets.com/product/hyakkabanka/
百花万華インスタグラム
https://www.instagram.com/goshima.hyakkabanka/

 

 

 

 

 

モロッコ絨毯紀行 第9章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

*

縞柄のGOSHIMA絨毯の販売は続く。

 

並行してイマシンの技術を上げていく

 

とにかく、世界で一番上質な絨毯をモロッコで作る。

 

そして新たなる問題

縞柄の次なるデザインに着手しなければ・・・

とにかくオリジナルブランドを立ち上げるという事はすべてを自分達で考えなきゃいけない。

いままで誰かがやってくれた事を自分達で考えなくちゃならない

あたりまえだけど。

 

デザインを現地のデザイナーにお願いしようにもイランやトルコなどの絨毯先進国と違ってここは後進国モロッコ。

絨毯のデザイナーなんていないだろうし。

 

それでも何とかしないと先に進まない。

 

今日まで僕を育ててくれたギャッベを超えてGOSHIMA絨毯を世界一のブランドに育てたいから。

 

いないなら作ればいい。

 

世界的なデザイナーなんて要らない(頼めないし)

 

でも僕の周りには絨毯のことは素人だけど「同じ目線で夢を共有」できセンスある人がいる。

 

ヒシャムも初めは絨毯のことなんて全く分からない素人だったけど今こうして一緒に絨毯プロジェクトをしている。

 

「同じ目線で夢を共有」さえできれば素人でもなんとかなる。

 

腹は決まったデザインは彼しかいない。

 

GOSHIMA絨毯ブランドとしての初めのデザインは彼に託そう。

 

三方舎の設立当時からのパートナーであり良き飲み仲間。

いつも彼のデザインにはハッとさせられ僕に驚きを与えてくれる。

タカハシトオル.jpg

デザイン事務所ツムジグラフィカ高橋トオル。

 

超身近だけど彼となら「同じ目線で夢を共有」できる。

周りにいる人を生かそう、それが三方よしの三方舎らしい よくわからないけどなんかいけそうな気がする。

 

依頼はとにかく今まで扱ってきた絨毯にはない「かっこ良さ、飽きの来ない不変性、高級感溢れる」デザインを。

 

そんな漠然とした依頼をする方もする方だし、受ける方も受ける方である。

 

彼ならきっと理解してかっこ良いものを作るだろうというと、とりあえずは一緒にモロッコへ。

 

IMAIのiPhone 376

 

帰国して一か月・・・

 

そりゃ難しいよね。

 

デザインなんてそんなすぐ出るものなんかではないよね。

 

「かっこ良さ、飽きの来ない不変性、高級感溢れる」デザイン いくら現地を見たからってそう簡単には出来ないし難しい。

 

それからもう数か月何度もなんども話し合う。

 

その間モロッコのヒシャムはイマシン村のレベルを上げるべくハンモさん、シーディーモハメドと取り組みながら、そしてイマシン村以外でももっと上質な絨毯を作ろうとモロッコ中の織り工房を見て回る日々が続く。

 

(続く)

最初から読む→第1章

 

GOSHIMA carpts web site
(click!!↓)

モロッコ絨毯紀行 第8章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

*

数か月後、注文した縞柄のGOSHIMA絨毯を確認にモロッコ マラケシュへ

 

マラケシュの朝ホテルのロビーにてモロッコのジムトンプソン又は博士ことウェルフェードさんに会う。

 

まだ記していなかったが前回来た時に一緒にイマシン村に行っている。

 

初老のダンディな方。

今回もストールに首からLeicaをぶら下げている。

 

マラケシュまで届けてくれた縞柄のGOSHIMA絨毯の出来栄えを聞いたり、どうしたらもっとクオリティが上がるかお互いの経験値の中でかなり専門的でマニアックな議論になったのは当然のこと。

まだまだ改善の余地があり過ぎるほどある予感。

 

とりあえず縞柄のGOSHIMA絨毯を確認しよう。

うんうん。

求めるクオリティには届いていないけど一生懸命に作ったのは伝わる。

 

ファーストGOSHIMAの誕生。

これを日本に持ち帰り販売しながら、ヒシャムには並行してイマシン村でのクオリティを更にあげて行こうと話す。

 

 

アールラトラスキリムの販売先を中心に日本で販売。

 

価格が手頃なのと今井さんの応援を込めて一枚購入します、と。

 

うれしいけど、そうじゃない。そうじゃない。

 

もっともっと上を目指さないと。

 

続く

 

最初から読む→第1章

 

GOSHIMA carpts web site
(click!!↓)

 

 

GOSHIMA絨毯デザインのはなし [ 01 ]

「これは飾るものですか?それとも使うものですか?」

会場に来られた方々からはこんな声をよくお聞きします。

GOSHIMA絨毯の新シリーズ「百花万華 -ひゃっかばんか- 」のお披露目展示会が、福島・猪苗代のRootsShopにて始まっています。

ここにあるのは、間違いなく生活道具としての「絨毯」です。

目に美しく、他にはない使い心地。

末長く使うためのデザインと機能性のバランス。

GOSHIMA絨毯が基本とする、作り手に光をあて、五大の恵み(地・水・火・風・空)を素材にしたつくりであること。

作り手はネパール。デザインや品質基準は日本。

ネパールという国に出会って、またひとつ新しい世界観が構築されつつあります。

会場の空気を包むのは、目には見えない日本とネパールの融合のかたち。

会場内では、コンセプトをこんな風に伝えています。

『森羅万象・万華鏡のような世界へ』

綺麗な絨毯を作りたいと思いました。

愛らしくて、優しくて、ずっとそばにいたくなるような、

そんな絨毯を作りたいと思いました。

そしてこの時代に、自然の強さと美しさ、愛しい存在を大切にすることについてもう一度見つめ直す心を大切にしたいと思いました。山を歩き、いくつもの植物のかたちを覚え、道端で見つけた一輪の花たちを描き写し、それらを合わせていくと、輝く万華鏡のような世界ができました。百花万華の花のかたち一つ一つは、何気ないところに咲いていた花のかたちです。フィールドの色は、心の風景です。色とかたちで作られた森羅万象の世界。

遠い私たちの祖先から受け継いできた伍大の恵が一枚ずつに凝縮されています。茶室にいける一輪の花のように、小さな生命力を感じる一枚として喜んで迎えいれていただけるといいなと思います。

 

◾️GOSHIMA絨毯新作「百花万華」 発表展
– 万華鏡にひらく百の花 –
◯日時  9月15日(土) – 9月30日(日) 10:00~17:00
◯会場 Roots Shop内 特設会場にて
福島県耶麻郡猪苗代町字清水前2748-1 Roots猪苗代2F
◯TEL 0120-91-3969
◯HP  https://roots.jp

◾️GOSHIMA絨毯公式webサイト「百花万華ページ」
https://goshima-carpets.com/product/hyakkabanka/


(この記事は、GOSHIMAデザイン室・小林あかねが綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

 

モロッコ絨毯紀行 第7章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

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「ピンポーン」

 

12月。DHLの配達員 すぐそれだと分かった。

待ちにまったあの試作品 2か月遅れたがやっと手元に届いた。

 

とどいた梱包は長旅で所々破けている。

予想するに、クオリティは高い期待はできないけどそこそこ売れるレベルかなぁ

それとも、いきなり修正なんていらないくらいの高いクオリティだったりして・・・

でも、うまく行き過ぎたらプロジェクト感無いよね(笑)

でも、期待しちゃう。

 

いざ「開封」

 

・・・・・・・・・・・・・・やばい・・・・・・・・・・やばい・・・

絨毯の裏面が見えた瞬間すべてを悟るくらいのやばさ・・・

とても絨毯と言える代物ではないのは明らか。

 

タオルケットのレベル

一生懸命織ってくれた織子さんには申し訳ないけど 想像の10%以下のレベル

でも、これが現在のレベル。

今後相当な覚悟をもって臨もう。

 

そこから年を越えて「何度も何度も何度も 試作 試作 試作」の繰り返し

半年過ぎてなんとかなるレベル。(その間もモロッコに出向いては打ち合わせを重ねる)

あまり複雑なデザインではなく織子さんが織りやすく且つ自分の感覚感性を取り入れられるように縞文様。

色は五大サンスクリットで表わせる色。

なので「五」と「縞」で ”伍縞GOSHIMA絨毯“

縞柄のGOSHIMA絨毯を小さいサイズを中心に沢山注文をいれる。

出来上がる数か月後にモロッコに見に行こう。

 

続く

最初から読む→第1章

GOSHIMA carpts web site
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モロッコ絨毯紀行 第6章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

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イマシン村のオフィスで一晩過ごす。

夕ご飯は使用人のラへさんが調理場で特製タジン鍋を作ってくれる。

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ヒシャム、ハンモさん、シーディー、僕とでタジン鍋パ。

親睦をはかりながら徐々に打ち解け信頼されていくのを感じる。

夜、寝る前 ふと中庭に出てみる。

村の灯り落ちたイマシンの星空はヤバかった。

毎晩この星空をタダでみれるなんて・・・

夜明けとともにコケコッコーとモーモー あちこちから聞こえる朝。

イマシン村の朝はとにかく早い。

朝はラヘさんのエッグタジン鍋。

朝日の差し込むテラスでエッグとバターと蜂蜜を焼きたてのナンに包んでたべる。

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さぁ準備をして村を出発しよう。

車までみんなが見送りに来てくれる、最後ハンモさんが試作品が出来ていなかったことを謝っている。

すぐ作って送るとのこと。

しっかりしたものを作るから安心してくれ、と。

しばしの別れ マッサラーマ。

村を後にし

駱駝の蹄が赤砂をかむ音とまるで宇宙に投げ出されたような満開の星空の「サハラ砂漠」

切り立つ絶壁に地球の躍動を感じず 畏怖の念すら感じる「トドラ渓谷」

数百年の間自然と共に風化し続ける 赤土の城塞カスバが建ち並ぶ「カスバ街道」

細い路地が無数に張り巡らせれ世界一の迷宮といわれる「古都フェズ」

ヒシャムと一週間モロッコの原風景を五感で蓄積する。

きっとここで見たものが後々のデザインに生かせれるのだろうと思いながら

途中に、桜の花のような樹をみかける。

例年1,2月頃に咲くアーモンドの樹だと聞く。

薄ピンクの花びらが美しい。本当にうつくしい。

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満開の時期にみてみたい。

12月に日本に試作を送ることを約束して帰国の途に就く。

(続く)

 

 

モロッコ絨毯紀行 第5章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

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そこらさらにオフロード。

相当迂回して一時間。
やっと辿り着いたプロジェクトの村。

家を出てからここまでの道のり何十時間かかったかは記憶を遡りたくもない。

とにかく待ち望んだ目的地に着く。

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