モロッコ絨毯紀行 第2章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

モロッコ最終日の朝。

それまで流暢な日本語で通訳してくれたヒシャムからかすかな知り合いの絨毯商が「南の山深い村で草木で染めたオリジナルの絨毯を作っているオーストリア人がいる」と言っていたと。

モロッコのジムトンプソンなのか、、

もしかして自分がやりたいのはこれなんじゃないかと色めきたつ。

しかも帰る日空港までの道すがら。

 

あるものを買い付けたキリムよりもっと大きな収穫を得た気分になる。

 

自分の人生を大きく左右しそうな勢いを持って押し寄せてくる。

 

モロッコからの帰路一緒に行った兄(ボー・デコール社長)に事情を説明した。

元々独立志向の強い自分を止める事も出来ず半ば呆れ、何を言っても通じないとサジを投げてくれた。

 

後先を考えずに退社し10日後の8/1起業独立。

 

元々会社から離れたいと常々言っては叱られていた。

 

やりたい事が見つかった今、今やらなかったらいつやるの!

「今でしょ」

家業を辞めるという普通なら開いた口が塞がらない程超身勝手な次男坊。

 

とにかく毎日寝ても覚めてもモロッコでオリジナルの絨毯作りをする妄想。

 

ヒシャムと最終日話をした時、自分が将来やりたいと思う。

夢を話した。

「既に売れる力のあるものより、売れるものを自分で作る事」

 

それも、確立していない場所であるものをより生かし、無いものは作ってその土地の人たちのためになる事、買われる方がそれを使うと幸せな思いになる事、売る人が誇りを持てるもの、その循環が世のためになる事。

 

日本には近江商人の「三方良し」という考えがある事。

 

自分はそれを体現する仕事をしたい。

 

それは今モロッコでできるじゃ無いかと思う。

 

ヒシャムもとても共感してくれた。

「今井さん僕はガイドで絨毯のことは全く分からないけどモロッコでそれを実現しましょう!」

 

屋号も決まった。

「三方舎」まんまの名前を敢えて。

 

次回モロッコに行く10月までヒシャムとのメールのやり取りは続いた。

 

(続く)

 

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