モロッコ絨毯紀行 第1章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

どこにでもあるものを買い付けて販売する事に違和感を感じ、どこかで区切りをつけたいと。

売れるものにはそもそも力がある。

その既に売れる力があるものを売って満足はしていたが、心の何処かで自信が持てずにいたのかもしれない。

 

「既に売れる力のあるものより、売れるものを自分で作る事」

 

それをどこの国かは正直どこでもよかった。

 

自分の力で一から作り上げていける場所があれば。

でも、やるなら はなから海外で。

 

かすかな知り合いの絨毯商を頼って行ったモロッコ。

 

そこに何かあるという確証など全くなく行けば何かヒントがあるんではないかと。

 

震災後の7月の渡航。

 

4ヶ月経っていてもいく先々で日本は大丈夫なのか?

なんでこんな時にここに来てるんだ。

 

と同時にサッカーワールドカップで日本女子が強豪に勝ったのだろう。

すごいぞ、日本は、と。

 

心配とおめでとう。

世界的に日本を応援する機運が高まっていたそんな時期。

 

マラケシュのスークの店を周り何か琴線に触れるものがあるか探すがピンと来るものがない。

やはり絨毯の店が気になり手当たり次第に見て回る。

 

7月気温は40℃を軽く上回っている。

諦めかけて涼むために入ったキリムの店。

整然と綺麗に高く積まれたキリムを見上げる。

その中の数枚に目が止まる。

畳んである数センチの世界。

今まで見てきたどの国のキリムより目が細かく多色と曲線を描く技術。

 

ひょっとしてこの国には可能性があるのではないか…

 

成果なしで帰るよりその見たことのないキリムを買い付けていく。

(現地の人はピカソキリムと言っている。)

 

でも、結局はあるものを買い付ける。

心は以前満たされないまま。

 

(続く)

 

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