とあるGOSHIMA絨毯の展示会会場でのこと。
「ここに入ってきた瞬間にね、主人がいるような気がしたの」
と、話してくれた女性がいた。
その方のご主人はすでに亡くなっているという。
「自然が大好きな人だったの。だからそこに書いてあること、本当にそうだと思うの。涙が出そうだった。」と話してくれた。
そこに書いてある、という、そこ、とは、タペストリーのこと。
タペストリーには百花万華のコンセプトが書いてある。
百花万華という絨毯のデザインは、
実際に身近な環境の中で見つけた自然の造形美を図案化したものです。
特別な意味のある花や植物ではなく、
ふっとそこにあった命をモチーフにしています。日常の、ふとした瞬間に出会ったかたちや色を、
写真で撮ったり、スケッチしたり、図鑑で名前を調べたりして
どうしたら絨毯の模様になってくれるだろうかと考えていたら、
どんどんデフォルメされて、もはや、花なのかなんなのかわからないけど
なんだか生き生きしているなぁというデザインになりました。私たちの生きる世界は「あぁ、きれい。。。」で溢れている。
夕暮れ時の車から見えた夕陽も寒い日の朝に降った雪も
不思議な雲の流れも火花の儚さも
ふとした瞬間にやってくる「あぁ、きれい。。。」は、
現代に生きる私たちの心の風景。
今では、毎日が「百花万華」で溢れています。
何を見ても、何に出会っても、全てが「百花万華」に思えてくるのは、
森羅万象を想ってデザインしたからでしょうか。
ここに、
「アミティバ / 円満」と名付けた一枚があります。
小さな花文様の集合体で大きな花を咲かせています。
これは、デザインも、作る人も、すごく工夫をした一枚です。
森に入ると、全ては集合体で成り立っているのだということがよくわかります。
重なり合う木々の葉も、種類の違う草たちがひしめき合う土の上も、実のかたちも、風に揺れるその揺れ方も、頭上に広がる空の色も、その空に飛ぶ鳥たちも、季節の香りも。
多種多様な命の集まりが私たちの世界を創っています。ひとつひとつの命は、これまでとこれからを結ぶ点です。
その点が美しくまとまって大きなかたちになる時、本当の幸せを感じることができるような気がして、湧き出す命の繰り返しを一枚の絨毯に表現しました。
お部屋に敷くと、一瞬でパッと華やかな空気が流れてきます。モチーフは身近な花たちだからこそ、
そして、草木で染めたウールの糸だからこそ、
派手すぎず、主張しすぎず、支配しすぎず、
でも、そばにいてくれて嬉しい。という安心感と幸福感。
「あぁ、きれい。。。」
そんなため息のでるかけがえのない命の絨毯。
是非、一度実物をご覧くださいね。
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