モロッコ絨毯紀行 第10章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

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出来ました!デザイン出来ました!

 

一緒に渡航しそのあとも何度も何度も打ち合わせをして「かっこ良さ、飽きの来ない不変性、高級感溢れる」デザインを委ねていた高橋トオルくんからやっと出来たと連絡が入る。

 

全ての仕事をすっ飛ばし彼の事務所に走る。

事務所のテーブルに所狭と並べられたデザインペーパー。

 

期待半分、不安半分。

 

気持ちとは裏腹に薄目で恐る恐るそこに近づきぱっと目を見開く。

 

見た瞬間「やったな」

 

「かっこ良さ、飽きの来ない不変性、高級感溢れる」

 

 

予想以上。

 

さすがやる時はやる男。

 

モロッコのイスラム建築にあるタイル画のシンプルかつ規則正しい配列。

人類が発祥と共に長い長い歴史の中で使われ続けている独特の文様。

その多くはシルクロードを渡り又は島々を渡り日本に伝わりました。

 

これだけデザインの流行り廃りの激しい今日においても使われ続けている文様=「飽きの来ない不変」

華美な部分を引き算で限りなくシンプルにデザイン化=「かっこ良さ」

 

「高級感溢れる」

問題はここ。

 

イマシン村のクオリティは高級感というより素朴感。

 

高級感を出そうとするとあの素朴さがなくなってしまう。

 

でも、このデザインは素朴感ではぜったいに表現できない

 

そんなさなかヒシャムから連絡が入る。

 

(続く)

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モロッコ絨毯紀行 第8章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

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数か月後、注文した縞柄のGOSHIMA絨毯を確認にモロッコ マラケシュへ

 

マラケシュの朝ホテルのロビーにてモロッコのジムトンプソン又は博士ことウェルフェードさんに会う。

 

まだ記していなかったが前回来た時に一緒にイマシン村に行っている。

 

初老のダンディな方。

今回もストールに首からLeicaをぶら下げている。

 

マラケシュまで届けてくれた縞柄のGOSHIMA絨毯の出来栄えを聞いたり、どうしたらもっとクオリティが上がるかお互いの経験値の中でかなり専門的でマニアックな議論になったのは当然のこと。

まだまだ改善の余地があり過ぎるほどある予感。

 

とりあえず縞柄のGOSHIMA絨毯を確認しよう。

うんうん。

求めるクオリティには届いていないけど一生懸命に作ったのは伝わる。

 

ファーストGOSHIMAの誕生。

これを日本に持ち帰り販売しながら、ヒシャムには並行してイマシン村でのクオリティを更にあげて行こうと話す。

 

 

アールラトラスキリムの販売先を中心に日本で販売。

 

価格が手頃なのと今井さんの応援を込めて一枚購入します、と。

 

うれしいけど、そうじゃない。そうじゃない。

 

もっともっと上を目指さないと。

 

続く

 

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モロッコ絨毯紀行 第7章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

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「ピンポーン」

 

12月。DHLの配達員 すぐそれだと分かった。

待ちにまったあの試作品 2か月遅れたがやっと手元に届いた。

 

とどいた梱包は長旅で所々破けている。

予想するに、クオリティは高い期待はできないけどそこそこ売れるレベルかなぁ

それとも、いきなり修正なんていらないくらいの高いクオリティだったりして・・・

でも、うまく行き過ぎたらプロジェクト感無いよね(笑)

でも、期待しちゃう。

 

いざ「開封」

 

・・・・・・・・・・・・・・やばい・・・・・・・・・・やばい・・・

絨毯の裏面が見えた瞬間すべてを悟るくらいのやばさ・・・

とても絨毯と言える代物ではないのは明らか。

 

タオルケットのレベル

一生懸命織ってくれた織子さんには申し訳ないけど 想像の10%以下のレベル

でも、これが現在のレベル。

今後相当な覚悟をもって臨もう。

 

そこから年を越えて「何度も何度も何度も 試作 試作 試作」の繰り返し

半年過ぎてなんとかなるレベル。(その間もモロッコに出向いては打ち合わせを重ねる)

あまり複雑なデザインではなく織子さんが織りやすく且つ自分の感覚感性を取り入れられるように縞文様。

色は五大サンスクリットで表わせる色。

なので「五」と「縞」で ”伍縞GOSHIMA絨毯“

縞柄のGOSHIMA絨毯を小さいサイズを中心に沢山注文をいれる。

出来上がる数か月後にモロッコに見に行こう。

 

続く

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モロッコ絨毯紀行 第6章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

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イマシン村のオフィスで一晩過ごす。

夕ご飯は使用人のラへさんが調理場で特製タジン鍋を作ってくれる。

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ヒシャム、ハンモさん、シーディー、僕とでタジン鍋パ。

親睦をはかりながら徐々に打ち解け信頼されていくのを感じる。

夜、寝る前 ふと中庭に出てみる。

村の灯り落ちたイマシンの星空はヤバかった。

毎晩この星空をタダでみれるなんて・・・

夜明けとともにコケコッコーとモーモー あちこちから聞こえる朝。

イマシン村の朝はとにかく早い。

朝はラヘさんのエッグタジン鍋。

朝日の差し込むテラスでエッグとバターと蜂蜜を焼きたてのナンに包んでたべる。

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さぁ準備をして村を出発しよう。

車までみんなが見送りに来てくれる、最後ハンモさんが試作品が出来ていなかったことを謝っている。

すぐ作って送るとのこと。

しっかりしたものを作るから安心してくれ、と。

しばしの別れ マッサラーマ。

村を後にし

駱駝の蹄が赤砂をかむ音とまるで宇宙に投げ出されたような満開の星空の「サハラ砂漠」

切り立つ絶壁に地球の躍動を感じず 畏怖の念すら感じる「トドラ渓谷」

数百年の間自然と共に風化し続ける 赤土の城塞カスバが建ち並ぶ「カスバ街道」

細い路地が無数に張り巡らせれ世界一の迷宮といわれる「古都フェズ」

ヒシャムと一週間モロッコの原風景を五感で蓄積する。

きっとここで見たものが後々のデザインに生かせれるのだろうと思いながら

途中に、桜の花のような樹をみかける。

例年1,2月頃に咲くアーモンドの樹だと聞く。

薄ピンクの花びらが美しい。本当にうつくしい。

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満開の時期にみてみたい。

12月に日本に試作を送ることを約束して帰国の途に就く。

(続く)

 

 

モロッコ絨毯紀行 第5章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

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そこらさらにオフロード。

相当迂回して一時間。
やっと辿り着いたプロジェクトの村。

家を出てからここまでの道のり何十時間かかったかは記憶を遡りたくもない。

とにかく待ち望んだ目的地に着く。

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モロッコ絨毯紀行 第4章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

2度目のモロッコへ

長年通って 行き慣れたエミレーツ ドバイ経由。

とにかく長い。

1回目はイランの帰りだったから日本から行くのは今回が初めて。

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モロッコ絨毯紀行 第3章

(この記事は、GOSHIMAを創った男・今井正人が綴るプロジェクトアーカイブ記事です)

独立してから食べて行くために現地でピカソと呼ばれていたキリムを「アールラトラス」(Atlās地方の芸術の意)とそれらしく名付け企画展を開いて販売したり、会社を無理に辞めたのだから退職金なんて申し訳なくて 続きを読む モロッコ絨毯紀行 第3章